イバラードは如何にして描かれるのか?

絵を描くという事は、いわゆる絵画と呼ばれるソルマを作り上げる事を言うことですが、
それをまさに実践しているのが井上さんです。
見る側の思念によって見え方が異なるという点でソルマの代表的なものと言えるでしょう。
井上さんの絵を見て小さい頃見た光景を思い浮かべたり、夢にみた光景を思い出したり
することがありますが、それは絵画と言うソルマを介して、イバラードを見ていると言え
るでしょう。

ここでは、その準備段階から順を追ってご説明致します。
この方法は技術的にはかなり手間のかかるやり方で、だれでもできるわけではありません。
実際にはもっと多くの段階を経ながら完成へと導かれるのですが、ここでは手短に簡単に
ご説明します。
常に新しいイメージを描き加えるので作品によっては10年以上かかるものもあるそうです。
(*注、ここで使用する重要な概念ソルマについてはReadmeをご参照下さい。)


           Bunkamuraで個展の開催中に会場で数日間描かれました。
      

いったん完成したと思える作品でも時間の経過とともに加筆され変化する事があります。
この変化し成長する絵というのが井上さんの大きな特徴と言ってもいいでしょう。
絵の中の少女が、つぎに見た時には大きくなり、まわりの情景も変わっている。
島影が姿を消し、みどりの森になったり、また遠景の変化は特に注意を要します。
建設中の高層建築は徐々に高くなり、ラピュタや小惑星が出現していたりする。
まるで前見た絵が夢かまぼろしだったかのように姿を変えてしまう。
その変化を知るための唯一の方法としては、かかさず展覧会をチェックするしかありません。
気付かずに過ごすことは、ある意味で画家を喜ばしてしまう事でもあるのですが・・・。


(この変化する過程を記録した貴重な文献として、シンフォレスト社から報告されている
CD−ROM「イバラードの世界」の絵の変化ギャラリーがある。)